過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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◆EhtsT9zeko
[saga]
2013/08/15(木) 22:12:25.19 ID:oUgkPfPRo
「そのことなんだけど」
プルツーの反応を見ていたら、隣に座っていたジュドーが口を開いた。
「実は…俺、木星探査船への乗船を志願したんだ」
「え…?」
木星探査…?あの、ジュピトリスへ…?それって…つまり、どういうこと?
「プルツーとも良く話した。相談して、プルツーはマライアさん達にお願いしたいと思ってる」
ジュドーは言った。
良いの…?本当に、それで、良いの?あたしは、そんな思いがいっぱいになって、今度はプルツーの方を見る。
彼女は表情を変えないまま、話し始めた。
「ジュドーとは、ちゃんと話をした。わたし、マライアちゃん達と一緒に行くことにするよ。
ジュドーは…家族を亡くしたんだ。たった一人の妹だった。
だから、家族がどれだけ大事か、って話してくれた。一緒に居たくても、それができない人もいるんだって。
わたしには、そうなってほしくないんだって。わたし、ジュドーと離れるのは、寂しいよ。
でも、ジュドーが言ってることも、分かるんだ。だから、わたしは姉さんたちと一緒にいようって思う。
木星に行っても、3年したら帰ってきてくれるって約束もした。それなら、わたし、待っていられる。
だから、今は、姉さんたちと一緒にいようと思うんだ」
ジュドーくんは、妹を亡くしてたの…?そんな話、これっぽっちもしなかったじゃない…。
もしかして、ジュドーにとって、プルツーは妹みたいな存在だったのかな…?
もし、もしだよ?本当にそうだったとしたら、あたし、すごくひどいことをしているんじゃない…?
そんな思いで、あたしはジュドーくんを見た。ジュドーくんは、笑った。それから
「任務が終わったら、すぐに会いに行きます。だから、プルツーを、頼みます」
と、あたしとレオナをまっすぐに見つめて言ってきた。
そんな目をされたら…飲むしか、ないじゃない…。
「プルツーは、それでいいのね?」
レオナが、穏やかな口調で、プルツーに聞いた。
プルツーは、黙って、口をへの字にしてうなずいた。
辛くない、なんて言ったら、ウソだろうな…。絶対に寂しいし、悲しいだろう…
でも、もしかしたら、逆にジュドーくんに着いて行くことにしていたって、彼女は同じ顔をするかもしれない。
そもそも、そう言うことを迫っていたんだ、あたしは。どうにか、うまい案があればよかったけど…
でも、残念ながら、どうしようもない。
うん…そうだよね。どっちを選んだって、辛いんだ。
でも、あたし達を選んでくれたんだったら、あたし達が責任を持たないとね。
プルツーに後悔させないように、レオナと一緒で、良かったって、思ってもらえるように。
「わかったよ、プルツー。じゃぁ、あたし達と一緒に、行こう」
あたしは、自分にできる、最大限の笑顔を作って、プルツーにそう言ってあげた。
それを聞いて彼女は、今日初めての笑顔で応えながら
「うん!」
と返事をしてくれた。
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