過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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615: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/01(日) 11:43:03.93 ID:8hpv4eXMo

「マライアちゃん、わたし、大丈夫」

不意に、プルのそう言う言葉が聞こえた。

「うん、じゃあ、行こうか」

あたしはそう言ってプルをゆっくり開放して、次に飛び移るデブリを探す。次は、正面に見えるあれがいいかな。

 プルを気遣いながら、足場を蹴って、デブリを目指す。

エンドラ級は、もう目と鼻の先。気づかれている様子はない。

ここからは、ランドムーバーは極力使わずに行きたいんだよね。光で気づかれちゃうかもしれないから…。

 次のデブリにたどり着いた。今度は、プルもうまくしがみ付く。

あと、2つか3つ経由できれば、直接エンドラ級に辿り着ける。

 「プル戦艦に取り付くから、慎重にね」

あたしがそう言うと、プルはコクっとうなずいた。

 プルのリアクションを確認してから、エンドラ級を見やる。あのクラスの船だ。

どこかに、メンテナンス用の外部ハッチがあるはず。

モビルスーツデッキや、通常のハッチから潜入するのは、さすがに危険すぎるから、

居住区じゃなくて、そう言う機関の隙間に入り込まなきゃいけない。

そういうのがあるのは、後部のエンジン周りか、対空兵器周りと相場が決まっている。

さすがに、ネオジオンの戦艦の構造図なんて手に入らなかったから、場当たり的な判断が必要になってくる。

 あたしが目指していたのは、後部下方にある、対空砲だった。

ここなら、もしあの場所に目当てのハッチがなくても、エンジンの方へ移動してハッチを探すのに都合がいい。

引き返せないこういう作戦のときほど、保険は大事だ。

 あたしはデブリを蹴った。エンドラ級が近づき、ついには、装甲を止めているリベットの一本一本が見える距離にまでなる。

すこしだけランドムーバーを吹かして方向とスピードを調整して、ノーマルスーツの電磁石のスイッチを入れて装甲に足を付けた。

両足を取られるような形で前につんのめった体を両腕を付いて支えて起き上がって、飛んでくるプルを受け止める。

 なんとか、たどり着けた…ふぅ、と思わずため息が出る。と、ほとんど同時に、無線でプルのため息も聞こえた。

思わず、顔を見合わせて笑ってしまう。

 あたしは、アンカーワイヤーを1mほどまで巻き取って、プルと繋がったまま、対空砲を目指して進む。

そのすぐそばに、点検口と思しき切れ込みがあるのを見つけた。

良かった、ないはずはないと思ってたけど…あってくれて、安心した。

 あたしは、工具を取り出して、その点検口の入り口のボルトを回す。

二つ外したところで、厚手の金属板が、宇宙空間でふわりと開いた。

工具をしまって、ライトを取り出して中を覗く。

中は真っ暗だが、点検用の狭い通路があって、通ることは出来そうだ。

給弾された弾に、対空砲を直接制御しているんだろうコンピュータなんかがぎっしりと詰まっている。

中にはまだ酸素はない。居住区画では、ない、ね。



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