過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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630: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/01(日) 23:47:40.54 ID:8hpv4eXMo

 しばらくして、落ち着きを取り戻した博士は、あたし達にも紅茶を振る舞ってくれた。

そんなことをしている暇はあんまりないんだけど…と思いながらもカップに口を付けて、驚いた。

こんな紅茶、今まで飲んだことないよ!?

すごく上品な香りがするし、味も、まろやかで、コクがあって、渋みも少ない…

今まで飲んできたのは紅茶じゃなかったんじゃないの!?そう思えるくらいの代物だった。

アクシズやこんな軍艦にいて、こんな上物どうやって手に入れているのか気になってしまう。

それを聞こうと思ったら、先に、博士の方が口を開いた。

「来てくれたことには、感謝してる。だけど、アタシも、すぐにはここを出れないんだ」

出れない?どうしてまた?

あたしは一緒に出してもらったお茶菓子を頬ばっていたので、尋ねる代わりに首をかしげてみる。

博士はそんなあたしのしぐさを見て、クスっと笑ってから

「アタシもここに、あえて潜り込んだんだよ。どうしても、助けてやりたい子がいるんだ」

と言った。

「助けてあげたい、子?」

あたしの代わりに、プルがそう聞いてくれる。ありがと、プル。今飲み込むから、それまでお願い。

 あたしはクッキーをボリボリ言わせながら、また博士に視線を向ける。

「あぁ…。もとは、アタシの居た研究所で、レオナと同じように人工授精で生まれた子で、ね。

 プル、あんた達と違って、見つけるのは簡単だったんだ」

博士は、すこし申し訳なさそうに言った。

「その子を追って、この船に搭乗した、ってことですか?」

なんとかクッキーを飲み込んで、博士にそう聞き返す。

「まぁ、そんなとこかな」

博士は、そう言いながら、デスクの上のキーボードをたたいた。

それから、チラッとモニターを確認して、あたし達のほうにそれを向ける。

 そこには、プルと同じくらいの年ごろの女の子が写っていた。

プル達よりももう少し色素の薄い、亜麻色のショートカットで、碧い目をした女の子。

あれ?あたし、この子、どこかでみたことあるな?誰だろう…

一瞬、プルにも見えたけど、でも良く見ると似てはないよね。ううん、思い出せないな…

本当に一瞬チラっと見たくらいの記憶なんだけど、でも、見たことある、って感じるくらいだから、

よっぽどの状況で見たようにも思うんだけど…

 あたしが一生懸命考えていたら、横にいたプルが声を上げた。




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