過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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66: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/06/17(月) 21:45:53.92 ID:shr/BI9J0


 真紅の稲妻。1年戦争当時、彼はそう呼ばれていたとのことだった。

宇宙を中心に展開していた特殊部隊に所属し、連邦兵器の撃破数は2ケタを超える、とも話した。

それが事実だとすれば、まさに超人的な記録だ。

まさかとは思うが、こいつもニュータイプなのか?

と、なんだか複雑な気持ちになったのは言うまでもない。

 しかし、そんな彼も、彼の所属する部隊も、当時のジオン軍の最終防衛線であるア・バオア・クーでの戦闘で壊滅。

彼も乗機のモビルスーツが被弾し、離脱しそこで終戦を迎えたという話だった。

 それ以前に、彼はサイド6にある、フラナガン機関と呼ばれるジオン軍のニュータイプ研究所に囚われている、

テストに利用された子ども達が、証拠隠滅のために殺害されるという話を耳にした。

 なんでも、そのフラナガン機関には彼も幾度か出入りした経験があるとのことで、他人事とは思えなかったのだという。

やっぱり、彼もニュータイプだったんだな…複雑だ。

 彼は、そこから子ども達を逃がそうとする一部の職員と、ジオン兵に協力し、子ども達を地球へ移送する計画を思いついた。

救助のために、当時ジオン公国艦船の排除、入港拒否の方針を打ち出していたサイド6に戦艦で乗り付け子ども達を救出。

追ってくる研究所のモビルスーツ複数機との戦闘を彼が引き受け、戦艦にも何機かのモビルスーツが護衛について、

幾度も戦闘を潜り抜けながら地球圏に到達した戦艦は、脱出用の小型シャトルに子ども達を乗せて地球へ発射した。

 戦艦のその後は、分からない。

それと言うのも、その時にはジョニーはすでに乗っていた機体に戦艦を追えなくなるほどの損傷を受けていたからだ。

ただ、話しぶりからすると、もしかしたら、撃沈されているのかもしれないと感じた。

子ども達の手前、言わないようにしているのか。

 ジョニーがやられた後、サビーノ達の話だと、

襲い来る研究所所属のモビルスーツの攻撃を、他のパイロットたちが盾になるように防いでくれて、

ギリギリまでシャトルの直援に付いたモビルスーツは、大気摩擦で吹き飛んだらしい。

 その機体についていたエンブレムはどんなのだ、と聞いたジョニーに子ども達が答えると、

彼は、すこし寂しそうな目をしてうつむきながらも、

笑って

「そうか。あいつなら、やりそうだ」

とつぶやくように言っていたのが印象的だった。

 そう言えば驚いたことに、ジョニー・ライデンの名を、レオナも知っていたことだった。

レオナの過去の話は聞いたことがない。

今度時間があったら聞いてみようか、と言う気にさせられた。

我ながら、珍しい心境だな、とも思えて、なんか妙な気分ではあったが。

 サビーノ達は、ジョニーのことを、まるで父親を見る様な安心した視線で見つめていた。

そうしながら彼らはこれまでにあった出来事を事細かにジョニーに話した。それを聞いたジョニーは、また目を細めて、

「大変だったんだな…本当は、すぐに迎えに行くことにはなってたが、それもできずじまいだった。すまなかった」

と謝っていた。この男、軽いだけの奴かと思っていたが、どうもそうではないようだ。

どう形容していいかわからないが、どんな相手にもオープンになって話ができる、そんなメンタルを持っているような感じがした。




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