過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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711: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/10(火) 01:50:32.51 ID:QsUoJHLUo


 お昼ご飯を食べ終わってから、“ママ”は母さんの手伝いとお家のことをしに帰った。

私とマリは門のところで“ママ”を見送って、それから、マリはマルコくんや他の子達と一緒に公園へ向かった。

私は、ソニアと図書館まで歩いた。

 図書館は二階建てで、一階は、子ども向け、二階には大人向けの本がある。

二階ももちろん好きだけど、やっぱり一階の絵本コーナーが一番好き。ソニアはもっと文字がいっぱいある本を良く読んでいる。

私は、絵本の棚でお気に入りの絵本を探した。

 一番好きなのは「きたのうみのせいれい」と言うお話。小さい頃に母さんに良く、寝る前に聞かせてもらった。

まさか、こうして本であるなんて思ったことなかったから、見つけて読んだときは、すごく嬉しかった。

 このお話は、北の海に住んでいるとても強くて、勇敢な精霊のお話。

精霊は、人々を守ろうとして戦うんだけど、いつのまにか、彼女は自分が守ろうとしていた人たちを傷つけてしまっていたことを知って、

さらにはその人たちに追い出されてしまう。

でも、その人々が再び困ったときに彼女は舞い戻って、今度は人知れず、みんなを守ってあげる、ってお話。

 最初のころは、精霊はすごく怖い絵で描かれているんだけど、終わりの方には、おんなじ絵なのに、

なんだかとってもきれいで、優しく描かれている。

ソニアに見せたら、最初の精霊は怖くて嫌い、って言ってたけど、私はどっちの精霊も好きだった。

小さい頃は良くわからなかったけど、このお話は、物事の二面性についてを教えてくれているんじゃないかな、って感じる。

怖い精霊も、優しい精霊も、厳しくて怖い時と優しくて楽しい時とがある母さんやママと、私にはおんなじに思えていた。

 そこで夕方まで本を読んだり、ソニアとおしゃべりをしてから、私はソニアと別れて家に戻った。

マリはまだ帰ってきてないみたい。ママがキッチンで、夕ご飯の支度をしていた。

 「ママ、ただいま」

「あー、おかえり、カタリナ」

「なにか手伝う?」

「良いの?じゃぁ、これの皮剥いてくれ?」

私が聞いたら、ママはピューラーと大きなジャガイモを3つ、私に手渡してくる。

「それ、アヤちゃんのところで獲れたんだって」

ママはそんなことを言いながら、トントンと野菜を刻んでいる。
 


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