過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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718: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/10(火) 01:56:08.45 ID:QsUoJHLUo

 そんなとき、玄関のチャイムの音がした。今日は土曜日でお休みの日。こんな時に、誰だろう?

「わたし、出てくるね!」

マリがそう言って、また部屋から飛び出した。母さんも相変わらず、その様子を可笑しそうに見ていた。

その眼はとっても優しくて、私に向いているわけじゃないのに、なんだか私まで嬉しい気持ちになってくる。

家族って、不思議だね。ここで一緒に過ごしている時間って、まだ一か月くらいしか経ってないのに、

マリは私のことや、母さんや、ママのことをすごく大切に思ってくれてるってのが分かる。

もちろん、私もそんなマリを大切な人だって思う。一か月前に会ったばかりのママも同じ。

だから、よけいに不思議。だって、一か月前は知らない人同士だったのに…

こうやって、心配したりされたり、母さんみたいに、優しい顔をして見つめたり、叱ったりするんだもん。

好きだ、って思っても、そんなに簡単に行くのかな、ってちょっと思ってるんだ、本当は。

 「母さん、レナちゃんが来てくれたよ!」

マリがそう言って部屋に戻ってきた。後ろには、アヤさんの家族のレナさんが居た。

「お日様熱が拡大中だって聞きましたよ」

「お日様熱?」

「ここいらでは、そう呼ぶらしいんですよ、その病気。島に来て、お日様にいっぱい照らされ慣れていない人が罹るから」

「なるほど、うまく言ったもんだな」

レナさんの言葉に、母さんがそう言って笑った。

「これ、果物持って来たんです。市場で、知り合いのおじさんが安くしてくれたんで、たくさん買えて。

 良かったら、食べてください」

レナさんがそう言って、大きなビニールのバッグを母さんに差し出した。

「いいのかよ、ありがとう!悪いな、気を使ってもらっちゃって」

「いえいえ。持ちつ持たれつ、ですよ」

「わー!おっきいオレンジ!リンゴもあるよ!」

マリが袋の中を覗いてそんな大声を上げた。

「あ、そうだ、カタリナ、食べるか?朝から何も食べてないもんな、あんた?」

母さんがそう言ってくれた。うん、冷たくしたやつだと、もっと嬉しいな。そんなことを思って、私はうなずいた。
 


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