過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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740: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/13(金) 23:59:02.29 ID:qI8Mija5o

 カチャっと音がした。玄関の開く音だ。

「ん、マリオンかな?」

アヤの言った通り、マリオンがリビングに姿を現した。

「おかえり、マリオン。見回り、ありがとうね」

私が言ってあげたら、マリオンは恥ずかしそうに照れ笑いを浮かべて

「あ…はい」

なんて、言葉少なに言う。感情の表現の少ない子だな、なんて最初にあったときは思ったけど、

こうして一緒に暮らしていると、この子ほど感情豊かな子はいないんじゃないかな、って感じる。

もちろん、表現はうまくないけど、私達だからこそ感じられる、“アレ”で、良くわかる。

海を見たり、空を見たり、庭の芝生を見るだけで、こんなに気持ちが沸き立つくらい、感性も豊かな子なんだ。

今度、ホールに飾る絵でも描いてもらおうかな?もしかしたら、すっごく上手かも知れないしね!

 そんなことを考えていたら、マリオンが後ろを振り返った。

「あの…お客さん、です」

マリオンに続いてリビングに姿を現したのは、アリスさんだった。

「ん!ママ!」

レオナがピョンと飛び上がる。ふふ、これは、嬉しいお客さんだね、レオナ。

「こっちに居たのね。ペンションの方に行ったら、マライアちゃんからいなかったから」

アリスさんはそう言いながら懐っこい笑顔を浮かべる。

「最近は、夜勤当番以外はこっちに帰ることにしてるんだ。一応、家だしな。

 あ、まぁ、アリスさんも座ってくれよ。飲むだろ?」

「ええ、じゃぁ、少しだけ」

アリスさんはそう言って、ソファーに腰を下ろした。グラスをぶつけて、アリスさんがバーボンに口を付ける。

それから、なんだか改まって

「今日は、迷惑をかけてごめんね。うちの子達を助けてくれて、ありがとう」

とアヤに礼を言った。アヤは相変わらず照れたみたいで

「べっ、別にそう言うことじゃないだろ!もとはと言えば、うちのチビどもが無茶して巻き込んじゃっただけで…

 こっちこそ、謝んなきゃいけないくらいなんだ」

なんて言う。その話は、昼間さんざんしたんじゃなかったの?二人とも。

 それからしばらく、二人のありがとうとごめんなさいのやりとりが続いた。

アリスさんはアヤをからかっているみたいだったけど、アヤの方がいっぱいいっぱいになってそれを必死に躱している感じだった。

「そ、そんなことよりもさ、アリスさん!」

アヤが、いかにも思い出しました、みたいな感じでそう言いだした。

「アリスさんは、あの戦争中に地球に降りたんだろう?どうしてすぐにレオナに会いに行けなかったんだ?」

アヤの質問は、私もすこし疑問に思っていたことだった。本当はすぐにでも会って、逃げ出したかったはずなのに…

どうして、レオナ達が発見するまで、アリスさんは身動きできなかったんだろう?
 


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