過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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747: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/14(土) 00:04:06.26 ID:xj1B6uGxo

 それから、絵本を5冊も買ってもらえて、マリ達と合流した私とママは、

4人でそろって、港の近くにあったダイナーでご飯を食べた。

 マリは相変わらずの食いしん坊で、ハンバーグのランチと、食後にはパフェを頼んだ。

マリは、私は自分の分でいっぱいだよ、と言うのに

「一口!おいしいから、ほら!」

って言って、全部の料理を私に一口ずつおすそ分けしてきたりした。

マリの気持ちが分かっているから、私は、断るわけにもいかないで、結局、お腹がパンパンに膨れるくらいまで食べてしまった。

 食べ終えてからは、また街を歩いて、お洋服を選んだり、テーブルクロスを探したり、

良いにおいのするお香、なんてのも買った。

 アクシズや、戦艦の中にいた頃には、考えもつかない生活。

私は、心のどこかにあった、固く軋んだなにかが、ゆっくりと溶け出すような、そんな感じを覚えていた。

どうしてなんだろうな、と考えて、私はすぐに答えを見つけた。

 マリが笑っているからだ。

マリだけじゃなくて、母さんも、ママも、ニコニコ笑顔で、4人で一緒に、街歩きを楽しんでいる。

それだけで心の中が暖かくなって、私も自然と笑顔になる。

私たちは、まだ、家族2か月目。まだまだ、始めたばっかりで、それがどう言う物か、とか、

どうあるべきか、なんてこと、全然わからないし、考えもつかないけど、でも、ひとつだけ確かなことがある。

 今、私は、この4人でいることが、とっても幸せで、みんなが笑顔でいてくれるのが、とても嬉しい。

マリの言葉を借りれば、私達は、幸せ4つ。

一人よりも、二人よりも、4人で幸せを持ち寄って、これからもっとそれを増やしていけるんだろうな、

なんて、そんなことだけは、確かに感じられていた。


「あ!見てみて!カタリナ!おもちゃ屋さんだって!」
「あ、ホント!ねぇ、カードあるかな?こないだマルコくんが持ってたやつ!」
「ちょ、待て、二人とも!あのおもちゃ屋さんは違う!あれは大人向けのお店だ!」
「おもちゃ?大人もおもちゃが欲しいんだ?」
「カードとか、パズルの売ってたお店なら、向こうの通りにあるみたい。行ってみる?」
「行く!」
「よし、じゃぁ、そっちへは私が一緒に行ってあげるわ!」
「やった!」
「ユーリはあっちのおもちゃ屋さんを見て来ていいわよ〜?好きでしょ、おもちゃ?」
「ちょ、ア、アリス!」
「あれ?ユーリ母さん、なんで赤くなってんの?」
「いっ!いいから!あんた達は、アリスとカード探しに行って来い!」

母さんが、なんだかわからないけど、ワタワタしながらそう言ってくる。

なんだか、そんな様子も、私にもどうしようもなく嬉しく感じられて、いつのまにか声を出して笑っていた。
 


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