過去ログ - ムラサメ研究所を脱走してきたニュータイプ幼女たちが…
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776: ◆EhtsT9zeko[saga]
2013/09/24(火) 01:52:06.71 ID:J9ii/eyso

 ホールを出て、1階の階段の下の倉庫に潜り込んだ。その一番奥に、あたしの使わなくなった小道具グッズの箱がある。

あたしは懐中電灯を頼りにその箱を探し当てた。ふたを開けると中からは昔使ってたあれこれが出てくる。

 まずは、連邦時代にもらった、陸戦用のヘルメットだ。それから、ポンチョでしょ。

ブーツは玄関にあるから良くって、あとは…あ、あった、防水用のヘッドライト!

水気の多いジャブロー所属ならではの品だね。予備の電池を入れてみて、使えるかチェックしないと。

防水用のポーチに、携行ボックスに入った工具類を入れて…と。ええと、ピストルベルトもここに入れた気がするんだけど…

お、あった!これにポーチを通せばいいよね。ロープやなんかは要るかな?一応、準備だけはしておこうか。

あれ、これって、ここにあったんだ、サバイバルナイフ。

これはイジェクションシートの下に収まってる装備だったもので、

ジャブロー防衛戦で脱出した後にお世話になった思い出の品だ…

あぁ、あんまり思い出したくない出来事だったけど…ひどかったなぁ、あの戦闘。

まぁ、ともかくこれもケースに入れてピストルベルトに通しておこう。

 と、こんなところだよね、うん。

あたしは一通り装備をそろえて、まずはピストルベルトを付けて、ポンチョを羽織って、最後にヘルメットを装着した。

あ、ゴーグルも居るかな?飛んできたなにかで目をやられたら一大事だよね。ゴーグルも付けておこう。

…よし、準備完了!

 あたしはもう完全って言っていいくらいの装備を整えて、倉庫を出た。

ここからは、ペンション防衛隊のマライア・アトウッド曹長、ひとりの任務だ。

 ひどいハリケーンが来るたびに、アヤさんはときどき寝ないで夜な夜な見回りをしているのをあたしは知っている。

いや、レナさんももちろん知ってるんだろうけど、アヤさんが何にも言わないから、あえて聞かないようにしているのかな。

レナさんはハリケーンも風情があって良いよね、とか言って、みんなを安心させてくれてる。

いや、本当にそう思っているんだろうけど、それはそれで、大事だ。でもそれだけじゃ、安全を守れるとは言い難い。

ペンションの中は、レナさんに任せてる。

でも、ひどいハリケーンのときには、ペンションの外も誰かが守らないといけない。今日はそのひどいハリケーン、だ。

アヤさんがいない今、このペンションを守るのは、あたしの役目!マライア・アトウッド曹長、出撃しまっす!

 と、勢い込んで玄関から出ようとしたら、ホールから出てきたマリオンと鉢合わせになった。

マリオンはあたしの恰好を見てびっくりもせずに、小さな声で言った。

「お手伝い、します」


そうして、あたしとマリオンの不眠不休の一夜が始まることになるなんて、

このときは自分のかっこうが恥ずかしくてこれっぽっちも思ってなんかいなかった。
  


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