57:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/06/20(木) 20:34:37.96 ID:qnuFZ/Vl0
「立ち話も何じゃからな、まぁ掛けてくれ」
壁際のテーブルの椅子を巴が引いた。
「単刀直入に聞く。あの封筒の意味はなんだ。巴は何を知っている?」
俺は彼女の引いた椅子に座ると、差し出されたコーヒーに口を付けることもなく尋ねた。
テーブルの正面に座った巴はカップに口を運ぶと、一口コーヒーを口に含んだ。
こくりと小さく彼女はそれを飲み下した。
「知っているといえば、知っている。じゃが、それはバカ親父からの又聞きじゃ」
彼女は両肘をテーブルに付き、組んだ手の上に小さな顎を乗せた。
「うちが知っていることはそう多くはない。事務所に入れなくなったあの日のことと、それに関係しそうな事をいくつかだけじゃ」
赤銅色の髪から覗く彼女の目が鋭くなる。
それは年端もいかぬ少女のする目つきではなかった。
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