84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/11(木) 19:47:33.65 ID:jSf0V8bD0
「その根拠はなんだ?いきなりそんなことを言われても俺は納得できないぞ?こんなやり方はフェアじゃないし、桃華を辞めさせたいのなら事務所を潰す必要も、俺を殺す必要もないはずだ」
テーブルの下で握り締めた右手に汗が滲むのがわかった。
恐らく、顔もこわばっているだろう。表情が上手く作れない。
「P、少し落ち着いてはくれんかのう……。うちにとっても身内を、そしてその家族を疑う事は気持ちいことじゃないんじゃ」
巴の表情が絡めた指の上で僅かに歪んだ。
「さっきの資料があるじゃろ?“ガワ”だけの会社の資料じゃ。それらの会社の代表者とその周辺を調べてわかったことなんじゃがの。桜井の系列の会社の息がかかっとるんじゃ。それもいくつかの子会社や契約先を通して関係をわかりづらくしとる」
「偶然って事はないのか?それだけ関係が桜井の本体から離れているのなら、桜井財閥が意図していない形で各社が社長に関わったという可能性もあるんじゃないか?」
「確かに、顧客の一人ひとりを把握するなんて事は無いじゃろうし、その可能性もないとは言えない」
「だったら……」
「じゃが、それは一般的な場合の話じゃ。残念じゃが、今回のケースには当てはまらんよ」
巴は小さなため息とともに、言葉を吐いた。
若干の落胆をその小さな額に刻みながら。
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