過去ログ - 恵美「もし私が日本に馴染めなかったら」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/15(土) 22:54:21.77 ID:aEntuCFko
不快さをあらわにした顔で恵美が問う。

恵美「……どういうこと? 魔王が人をかばうなんて。バイトごっこはまだ続けるわけ?」

真奥「……どういうこと、ってのは俺のセリフだよ……」

真奥「世界を守る勇者様が何やってやがる……勇者エミリアぁぁぁぁぁ!!」

魔王が怒号を上げた。

恵美(……なんだろう、変なの)

目の前で怒りながら自分を糾弾する魔王。
逃げながら怯えた視線を送ってきた人間達。
これではまるで……

恵美(……私が、悪者、みたい。ふふ)

魔王は混乱していた。

真奥(……どうなってる。勇者が俺を追っかけてきて攻撃するのは、分かる)

真奥(だが……)

真奥「なんで人間を巻き込んだ。人間を守るために戦ってたお前が」

何を言っているのか分からない、という顔で恵美が返す。

恵美「……巻き込む? 負い目のある身でこの店に勤めて、巻き込んだのはあなたでしょう?」

恵美「人間を散々殺して、逆にやられそうになったら惨めに逃げ出して」

恵美「必死で追いかけたら、化け物のくせに人間に混じって働くなんてふざけたことをしている……」

恵美「そんなクズが、人間の味方みたいな顔をしないでちょうだい。反吐が出る」

それでも恵美の側が人間に危害を加える理由にはならない、ということには気づいていないようだった。
その表情には、狂気が見て取れた。

だが、魔王は反論できない。
過去にしたことも、今していることも、全て事実だからだ。
せっかくこの世界で、新しいものが見られるようになってきた気がしていたのに。
過去の罪――魔王自身にはまだ罪かどうかもよく分からない過去――は容赦なく迫ってくる。


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