過去ログ - ｢風魔の息吹｣ -SS速報VIP

過去ログ - ｢風魔の息吹｣

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1: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/16(日) 02:47:50.50 ID:dmWFmycAO
･歴史小説風SSです。

･あくまで素人が書く歴史小説風SSなので歴史的背景は大雑把もしくはフィクションになっています。

･地の文たっぷりで読み辛い事も予想されます。

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2: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/16(日) 02:49:07.32 ID:dmWFmycAO
　　　　《凪》

　まず、序章として春秋戦国の創成期に忽然と現れたとある忍者集団の事を語っておきたい。

以下略

3: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/16(日) 02:51:05.43 ID:dmWFmycAO
　風魔一党を語る上で欠かせない人物の事も述べておこうと思う。

　風魔一党は、頭領が代々"小太郎"と称すのが決まりであるのだが、歴代小太郎の中で特に有名で、伝説的な人物である五代目"風魔の小太郎"を紹介する。

　"身の丈七尺二寸(2m16cm)、筋骨荒々しくむらこぶあり、眼口ひろく逆け黒ひげ、牙四つ外に現れ、頭は福禄寿に似て鼻高し"と言う異相だったと伝わっている。

以下略

4: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/16(日) 02:52:32.33 ID:dmWFmycAO
　しかし、その風魔は過去に吹く風となってしまった。

　慶長八年(1603)、後北条氏の没落により行き場を失った風魔一党は、盗賊に身を落として江戸の町を荒らし回っていた。

以下略

5: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/16(日) 02:54:28.96 ID:dmWFmycAO
短いですが今日はここまで。あくまで歴史小説･歴史愛で書いてますから至らなかったらすいません。

書き溜めてますから月曜日から順次あげてく予定です。

よろしくお願いします。

6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/16(日) 03:14:38.97 ID:eBJeZ1hio
なんか凄そうなのきた
期待

7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/16(日) 03:29:36.03 ID:zUegXgIAO
おぬし、よくぞ戻った。また会えて嬉しいぞ!!

8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/16(日) 10:29:15.97 ID:aNQ9TgX1o
ほう、期待

9: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/17(月) 23:25:04.17 ID:q9X1DpPAO
　　　　《風招き》

一

　寛永十四年(1637)の夏は酷く暑かった。

以下略

10: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/17(月) 23:27:07.22 ID:q9X1DpPAO
　この男、名を"柳生十兵衛三厳"と言う。

　徳川幕府で兵法指南役を仰せつかっていた柳生但馬守宗矩の嫡子であり、事実上の大和柳生藩二代目藩主である。

　柳生家累代の記録"玉栄拾遺"に『弱冠にして天資甚だ梟雄、早くに新陰流の術に達し、其書を述作し玉ふ』と記されるほどの剣の達人でもある。

以下略

11: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/17(月) 23:28:17.76 ID:q9X1DpPAO
　この十兵衛という男、生来"ものぐさ"な性格であった。

　十兵衛が大和国の柳生城に住む様になってから整備を怠り、打ち捨てられた荒れ寺の様になっている。

　そんな荒れ寺状態の柳生庄に、畿内中の荒くれ共や浪人が十兵衛に剣を教わりたいと集うのだが、いつも決まって

以下略

12: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/17(月) 23:29:54.01 ID:q9X1DpPAO
　そんな有りさま故に、柳生庄に住まう住民から『まるで盗賊の砦みたいだ』と噂される始末。

　天下の柳生にとってはあまり喜ばしくない噂にも関わらず、十兵衛は気にもせず怠惰な姿勢を崩さなかったのである。

　さて、柳生十兵衛という男がどれだけ"ものぐさ"かは分かってもらえたと思うが、この十兵衛の不思議なところは"ものぐさ"なくせに、好奇心を向けられる事や関心事にだけは類い稀なる積極性を発揮する事であった。

以下略

13: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/17(月) 23:31:37.36 ID:q9X1DpPAO
　たまたま、十兵衛が拾って開いてみたところ『風神様がお呼びだ。足柄山に来い』とだけ書かれていた。

　なんと怪しい手紙だろうか。
　宛名も差出人の名も書かれていない。
　ただ、風神が呼んでいるから来いとだけ、かろうじて読めるほど粗末な文字で書かれている。

以下略

14: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/17(月) 23:35:44.86 ID:q9X1DpPAO
短いですが今日はここまで。かなりおっかなビックリで投稿してます……。

15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/18(火) 03:23:46.02 ID:prJmMaaAO
乙！
続き早よう！

16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/18(火) 09:25:12.99 ID:gpzdckXWo
おつー
うむ、気になるスレだ

17: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/19(水) 01:52:36.88 ID:ukwCHrWAO
　十兵衛は、手紙とにらみ合いメッセージの意図を探ってみた。

　"風神が呼んでいる"とはどういう事だろうか。
　"風神"は風の神の事で間違いないだろうが、なぜ風神が足柄山に来いと言うのだろうか。

以下略

18: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/19(水) 01:55:40.48 ID:ukwCHrWAO
　しかし、龍田神社ではなく遥々相模国の足柄山まで来いとはどういう事であろうか。

　おそらく"風神"とは人物の事をさし、その風神を語る某が足柄山に待ち受けているのだろうと十兵衛は推測した。

　そこまで推測できれば良い。

以下略

19: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/19(水) 01:59:43.50 ID:ukwCHrWAO
　そういう訳で、十兵衛は足柄山の山道を歩いている。

　手紙の通りに足柄山に来たが、何か起こる様子もなく、ただ夏の新緑を物見遊山に来たかの様な形になっていた。

　しかし、十兵衛はそれならそれでと言う気分でいる。

以下略

20: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/19(水) 02:01:25.93 ID:ukwCHrWAO
　坂田金時と言えば、源頼光四天王として勇名を馳せた人物で、四天王の仲間と共に鬼の首領である酒呑童子を倒したと言う伝説もある。

　足柄山の無骨な景色を見ていれば坂田金時が、伝説的な勇者なのも納得できそうである。

　十兵衛はそういった情緒や趣には鈍い人物ではあるが、身につけた剣士と言う衣が足柄山に宿る伝説的な気迫を感じさせていた。

以下略

21: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/19(水) 02:02:51.25 ID:ukwCHrWAO
｢お前が柳生十兵衛か｣

　明らかに人の声で、しかも年端もいかぬ少女の様であった。

｢そうだが、そこもとが風神……かな？｣

以下略

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