過去ログ - ｢風魔の息吹｣ -SS速報VIP

過去ログ - ｢風魔の息吹｣

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31: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/20(木) 01:43:16.68 ID:4LMrHEFAO
｢あ、おい、泣くな。わしが悪かった｣

　時すでに遅し、と言った所か。
　凪はその小さな体のどこから出るのかと不思議に思うほど、大きな泣き声を上げて泣き出してしまった。

以下略

32: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/20(木) 01:44:58.94 ID:4LMrHEFAO
｢やれやれ、やっと泣き止んだか｣

　子供の持つエネルギーは膨大なようだ。
　十兵衛はすっかり疲れはて切株に腰を下ろしたが、凪はなに食わぬ顔で十兵衛を睨み付ける仕事についていた。

以下略

33: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/20(木) 01:46:56.02 ID:4LMrHEFAO
　十兵衛の脳内は、後悔と言う思考に支配されている。
　好奇心のせいで積極性を発揮し、相模国は足柄山くんだりまで来たが、その結果が自称風魔の少女に振り回されている。

　しかし、もはや引き返す事は出来ない。
　ならば、このまま凪に振り回され続けてやろうと考えた。

以下略

34: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/20(木) 01:50:48.34 ID:4LMrHEFAO
　十兵衛は、凪に続いて山を降りてやっと思い出した。

　足柄山は、風魔一党が根城としていた山であり、相模国は風魔が仕えた北条氏が治めた国なのだ。

　十兵衛は、運命や天運と言ったものを信じる手合いではないが、奇妙な縁があることは疑いようがない。

以下略

35: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/20(木) 01:54:29.38 ID:4LMrHEFAO
今日はここまで。リピーターさんが居てくれるのはめちゃくちゃ嬉しいですね。

前回より敷居を上げてしまったとちょっと後悔してましたが読んでくれてる方がいるのをモチベーションに頑張ります。

36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/20(木) 07:58:18.07 ID:B0fsSGzAO
乙。
前作でも脳内キャスティング考えたが、この十兵衛は誰が良かろう。
幼女と絡んでるとめっちゃ不審な人がいい！うーむｗｗ

37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/20(木) 08:26:01.01 ID:GFppIgEgo
おつおつ
初めて>>1のSS読んだけど面白いよ

38:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/20(木) 23:12:22.25 ID:XuDH1cHRo
キター！前作面白かったので今回も期待

39: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/20(木) 23:20:11.07 ID:4LMrHEFAO
二

　寛永十四年は猛暑ではあるが、例年にないと言うほどではない。
　しかし、肥後国天草諸島では死活問題であった。

以下略

40: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/20(木) 23:22:06.99 ID:4LMrHEFAO
　この大矢野島に、益田四郎と言う若者がいた。
　物腰が柔らかく、その穏やかな気性が雰囲気から伝わってくる。

　また、端正な面付きで中性的な印象を受け、聡明で、優れた教養を身につけた美少年であった。

以下略

41: ◆aHGz2Nt3qM[saga]
2013/06/20(木) 23:25:18.89 ID:4LMrHEFAO
　彼の父は関ヶ原の戦いで敗れ、打ち首となったキリシタン大名の小西行長の遺臣･益田甚兵衛であり、母は敬虔なキリシタンであった。
　彼の出生を紐解いてみれば、彼のカリスマ性も納得できなくもない。

　小西氏が滅亡し、浪人百姓に没落したとはいえ元は大名家に仕えた臣の子である。
　他の者にはない資質が備わっていても不思議ではないだろう。

以下略

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