過去ログ - フィアンマ「病室を、間違えていないか」ヴェント「ッ、」
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30: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/20(木) 22:39:59.09 ID:51Km9zTj0

ガチャ、というドアの開く音が聞こえた。
誰かの視線を感じるも、顔を上げられない。
もうすぐで読み終わる。もうすぐで、全部理解出来る。

「…魔術師でもない人間に写本を収めている場所の掃除をさせるとはな」

男の声が聞こえた後に。
すっ、と本を取り上げられた。
返してと叫ぶ前に、体の軸がブレ、尻餅をついた。

「ッ、」
「……これがどういう代物か、知っているのか?」

現れた青年は、一週間前に会った人だった。
ローマ正教徒だったのだろう、つまりは同胞ということか。
彼は私から取り上げた本を本棚へと押し込む。
それから、自分の本来の用事であろう書類のフォルダをしまう。

「どういう、代物か…?」
「……」

視線が合う。
冷えた眼光に、怯みそうになって、堪える。

「あれは―――魔道書の、写本だ」
「写、本……?」





私が魔術について学び始めたのは、その夜からだった。


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