過去ログ - モバP「いいお酒が手に入ったので」
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249: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2013/07/11(木) 17:38:53.67 ID:NdeKpdMJ0
社長がゆっくりと話し出す。
アイドルと関係者の恋愛なんて、別に珍しいことでもないですよ。
それに、私も人のこと言えませんからね。
私の妻もアイドルでした。私のプロデュースで。
ですからね、私はふたりを引き離そうとか、そういうことを考えてるわけじゃないんですよ。
前向きに仕事をこなして事務所の利益になれば、いいんです。
ただ。スキャンダルはまずい。
ばれるのがまずいのではなくて、事務所があずかり知らないということが、です。
あらかじめ知っていれば、やりようはいくらでもある。
リスクマネジメントです、要は。
ただ。
凛くんには、大変申し訳ないことをしました。
彼女もPくんも、あまりに真っ直ぐすぎた。彼は自分を律し、彼女は憧れを抱いた。
そのことで仕事に影響を出してしまったら、それはさすがに見過ごせない。
だから、離したんです。
そんなPくんが、自分から降りたいなんて言い出すんです。なにかあるに決まっている。
仕事に真っ直ぐで、自分を律することができる彼です。
凛くんの事がありましたから、そういうことではと思いまして。
社長「ですから。おふたりの本心を知りたいと、思ったんです」
耳が痛い。
あれこれひとりで思い悩んでる暇があったら、とっとと社長に話をすればよかった。
それだけのことだった。
それだけのことが、簡単にできない。
しがらみだらけの業界だから、難しい。
社長「ただ、高垣さんは今、うちの事務所でも大々的にプッシュしているアイドルです」
社長「惚れた腫れたでいられたら、非常に困るんです」
楓「……はい」
社長「ぶっちゃけ言いましょう。売れてください」
社長「それが、私の処分と思ってください」
楓「……ありがとう、ございます」
社長「まあPくん辞めさせて、それで高垣さんが仕事に穴あけてしまうほうが、よほど怖いですから」
社長「それだけ、投資してますからね」
実に直球な話だ。要は、認めてもらえるくらい売れてみせろ、と。
事務所に損害出すな、と。
お前に投資した分は回収させろ、と。
P「わかってます」
あの人は真っ直ぐ社長を見据える。
P「それは自分の義務ですから。そして」
P「間違いなく、売ってみせます」
楓「私も、Pさんと一心同体ですから」
楓「やり遂げてみせます」
もはやふたりの逃げ道はない。
成し遂げることという目標はあれど。そこに絡むのはお金。
その現実に寒気が走った。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
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