過去ログ - モバP「いいお酒が手に入ったので」
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277: ◆eBIiXi2191ZO[saga]
2013/07/16(火) 17:41:11.75 ID:lIPd8jDo0

楓「ふう」

 ファンの熱気にあてられる。
 8月。
 セカンドシングル発売と同時に、ファンミーティングのライブを行っている。
 全国で六ヶ所程度のものだけど、会場を借りて有料のライブの行うのは初めてだ。

P「お疲れさまです」

 あの人がぬるいスポーツドリンクをすすめる。
 体調、特にのどの調子を崩さないよう、冷たいものにせずわざわざ常温にしている。

楓「Pさんもお疲れさまです。大変でしょう?」

P「いやいや、ステージの楓さんのほうが大変でしょう」

 お互いに譲り合ってる。どうぞどうぞって。
 なんだかなあ。

楓「うーん、なんて言うか。こんなに集まってくれて申し訳ないというか」

P「申し訳ない?」

楓「……いえ、謙遜はかえってファンの方に失礼ですね」

楓「ふふっ」

 あの人はなにも言わず、ただ笑顔で見つめてくれる。
 チケットは、全ての会場でソールドアウトだそうだ。
 反響と期待の大きさに逃げたい気持ちも沸いたりするけど、でも。
 私に会いに来てくれる、このことが素直にうれしい。

P「うれしそうですね」

楓「ええ。もちろん」

 あの人も満足そうだ。
 私も、ファンの反応が直接感じられるライブはとても楽しい。

P「楓さん?」

楓「はい?」

P「アイドルらしさが板についてきましたね」

楓「ええ、そりゃあもう」

 自信を持って言い切る。

楓「Pさんの教えのたまもの、ですから」

 忙しいけど、充実している。
 プロモーターや後援者へのあいさつ回りとか、いろいろしがらみや打算もあるけど。
 それでも、その忙しさが楽しいのだ。

 相変わらずとんぼ返りの日々だけど、Pさんとふたり旅。
 これもデートだ、と思えば。やる気も倍増。

 私たちの努力は、ちゃんと結果となって表れている。

楓「でも」

P「ん?」

楓「しばらくは、お預けですかねえ」

P「……なにがです?」

 なにがって。
 貴方とのプライベートデートですよ。
 そう言いそうになるけど、こらえる。

 まだ、成し遂げてなんかいない。これからこれから。


     ◇ ◇ ◇ ◇ ◇



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