過去ログ - ソ連尉官「自分達が」　国民党兵「魔王と戦う？」 -SS速報VIP

過去ログ - ソ連尉官「自分達が」　国民党兵「魔王と戦う？」

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96: ◆aRgoaeaPZM
2013/07/01(月) 12:40:33.02 ID:8axkNy4xo
僕が起きたとき、手に何かの感触があった。

「札…？それよりどこだ、ここ…」

銃声も喚声も聞こえない。草が風に吹かれて立てるカサカサという音だけだ。
先程の村ではないし、平原ではあったけども、草が膝の高さまで生い茂っている。

「なんだこの札…」

手にした札は見慣れないものだった。
回りを見回す。

「し、死体…？」

そばには死体があった。
ポストカードで一度だけ見た、中世のような鎧を着た死体だ。

「ドイツ兵ではないな…」

ソ連兵でもない。
薄気味悪くなった僕は、とりあえず回りを探索することにした。

「背のう、弾薬ポーチ、水筒、あるな…」

ライフルのスリングに右手を通し、右肩に担いだ。

しばらく回りを歩き回っていると、ガサガサという音が聞こえる。
慌てて前に持ち直し、構えて叫ぶ。

「誰だ！」

すると、目の前の草むらから人影が飛び出して来る。

「止まれ！」

僕は自分の目を疑う。こいつはさっきのドイツ兵じゃないか…
そして自分の怪我が治っていることをここで初めて疑問に感じた。

僕たちは暫く睨み合っていた。

特徴的なシュタールヘルム、そして袖をまくった制服、ふと、ドイツ兵の制服は見映えがいいというような事を思う。

僕は威嚇のつもりで銃口をほんの少しずらし、そして引き金を引く。

カチッ

あれ？弾が出ないぞ？

「この野郎！」

僕は死を覚悟した。

「くそっ！どうして出ないんだ！」

僕は笑ってしまった。
同時に、どうして彼の言葉が分かるのか不思議に思った。

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