過去ログ - 律子「煙草は人を変えてしまいます。」
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2013/06/22(土) 23:34:55.96 ID:R4yff/rr0
「どうせ今日、言う気だったんですから。でも、少しだけ、時間をください。」
「構わないよ。」
立ち上がって後ろを向き、1分間ゆっくりと深呼吸を続ける律子。
そして、こちらに向き直る。
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2013/06/22(土) 23:36:53.64 ID:R4yff/rr0
涙が出そうになったが、理性でカバー。
抱きしめたくなったが、本能でセーブ。
縦に頷きたかったが、俺の中のつまらない何かがブロック。
「ありがとう。素直に嬉しく思う。だが、すまない律子。俺はお前とは付き合えない。」
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2013/06/22(土) 23:38:29.65 ID:R4yff/rr0
「私は、もうアイドルじゃありません。プロデューサーなんです。あなたと同じなんです!」
「……。」
「あなたと同じように、お酒だって飲めます!煙草だって吸えます!あなたと、同じなんです……!」
眼鏡の奥の瞳に、大粒の涙が浮かぶ。
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2013/06/22(土) 23:39:37.06 ID:R4yff/rr0
俺と律子の間を隔てていたのは、他でもない煙草だった。俺が煙草を吸い始めたのは、律子がアイドルを辞めたことがきっかけだった。
何かパッとしない、そんな毎日にスイッチを入れたかった。
俺にとって、律子がアイドルでなくなった事の記号が煙草だった。
律子がアイドルを辞めた事による空虚を、律子がアイドルを辞めた事の記号で埋めていた。皮肉な話だ。
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2013/06/22(土) 23:40:40.94 ID:R4yff/rr0
「あなたが煙草を吸っていなかったあの頃みたいに、一緒にいたいんです!」
律子の目に浮かんだ涙は、頬を伝って手の甲に落ちて行く。
「アイドルを泣かせるなんて、プロデューサー失格だな、俺は。」
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2013/06/22(土) 23:41:33.50 ID:R4yff/rr0
「タクシー、呼ぶから。」
「はい……。」
何分待ったかは分からないが、ようやくタクシーのご到着だ。
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2013/06/22(土) 23:42:05.98 ID:R4yff/rr0
遠くへ消えるタクシー。追いかける気力も無かった。
本当に俺は、この選択で正しかったのだろうか。
しかし俺は、恐らく初めて、本ものの恋を味わった。
どんなものでも、本ものは少し苦いって、律子が話していたっけ。
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2013/06/22(土) 23:43:02.20 ID:R4yff/rr0
家に帰ったが、煙草は吸わない。
新しい習慣が、邪魔でしかない。
何故断ったんだ、何故律子を悲しませたんだ、自らに問うても、答えなんか出る訳がない。
矛盾してる事に気付いてるから。
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2013/06/22(土) 23:43:49.12 ID:R4yff/rr0
そうだ、最初から分かっていたことだ。お互い理屈で語るのが癖だけど、理屈や損得勘定を抜いた時の言葉の方が、自分の気持ちに正直だった。
あの時、律子は正直だった。自分に正直で、俺に正直だった。
だけど俺は、律子の言葉に建前で壁を張り、律子に不誠実で俺自身に嘘をついた。
これではプロデューサー失格どころではない、人間失格だ。
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2013/06/22(土) 23:45:13.15 ID:R4yff/rr0
律子に煙草を吸っている所を見つかった、いつもの屋上。
そこには、いつもの表情をした律子が立っていた。
「話って、なんですか?ゆうべの事だったら、もう……。」
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