過去ログ - 「――――心に、じゃないのかな?」4<br>
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◆v2TDmACLlM
[saga]
2013/06/23(日) 21:34:30.85 ID:X2cPCFyW0
麦野「ねえ、浜面。私さ、これからはちょっとだけ物持ち良くして行こうって思ったんだよね」
浜面「ああ」
麦野「だからさ、……」
浜面「………」
麦野「だからちょっと取り返して来てくれない?」
浜面「ああ、元々そのつもりだ」
麦野「ちゃんと取り返したら、ご褒美あげるにゃーん」
浜面「忘れんなよ」
麦野「うん、よろしく」
それ以上の言葉は、必要なかった。
浜面はそのまま駆け出し、麦野はそれを見送ろうともしなかった。
麦野「…………」
再びの静寂。
ただ、先ほどとほんの少し違ったのは隣から聞こえる微かな寝息。
昨日とほんの少し違うのは、その寝息を立てている少女に対する気持ち。
その少女だけではない。自分を居場所とする他の少女達からかけられる声を麦野は思い出す。
麦野「……頼んだわよ」
死んでしまった街のある病室で、そんな言葉が小さく浮いて、小さく消えた。
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