過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」2巻
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[sage saga]
2013/06/28(金) 21:36:24.00 ID:tARKFY50o
鎌月鈴乃――彼女は時代がかった口調でそう名乗った。
貞夫の部屋には冷やしうどんに冷奴、小松菜のおひたしと豪華な朝食。
そして驚くべきことに夏バテして寝こむ芦屋の姿があった。
どうやら鈴乃が引越しのお裾分けに大量のうどんを寄越したところ、
そればかり食して芦屋が倒れ、責任を感じた鈴乃が家事を手伝っているという状況らしい。
とりあえず想定していた最悪の展開ではなかったことに胸を撫で下ろすが、疑念がなくなったわけではない。
昨今の日本人女性というのは、隣近所の男所帯とここまで付き合いを深めようとするものかしら。
鈴乃「とにかく、こうしてこの広い日本で偶然見えたのは縁あってのこと」
鈴乃「是非、よしなにお付き合いを願い、助力を請いたい」
恵美「こ、こちらこそ」
深々と頭を下げる彼女に合わせる。
……色恋を別にしても、懸念していたエンテ・イスラからの刺客という可能性も考えていたのだが、
この佇まいと一週間も貞夫の隣に住んで攻撃をしてこないという状況から、その線は薄いだろうか。
朝食を食べ終え、食器を流しに運んだ貞夫が大きく欠伸をした。
真奥「あー、なんかやることや覚えることが多すぎて流石に疲れるわ」
恵美「ああ、もうすぐだっけ? 店長代理」
真奥「そ」
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