10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/29(土) 17:15:22.37 ID:0hQFfYEeo
「良子さん、今回は仕事とかじゃないんですよね?」
「ノーウェイ、仕事ではないよ。」
「それがどうしたの?」
「別に。」
「仕事じゃないんならいいですけど。」
どこかほっとして俺たちは料理に手を付け始めた。
「……京太郎。」
「んー?」
「片手だと食べ辛くない?」
「まぁ、そりゃ多少は。」
「だったら私がピーマン食べさせてあげる。」
「ならば私はキャロットを食べさせてあげよう。」
「あんたら嫌いなものを押し付けようとするな。」
この人たちは従姉妹なだけあってどっか似てるな。
二人揃って押し付ける辺りは特に。
ちなみに俺はナスを押し付けた。
飯を食べ終わった後、二人は温泉に入ると言って部屋を出て行った。
俺はというと二人が戻ってくるまで暇だったので旅館内をぶらぶらしている。
適当に辺りを巡っていると中庭に辿り着いた。
中庭には立派な松が生えており、その周りには池や甕が置いてある。
「松実館ねぇ……」
独り言を呟いていると斜向かい側に目が行った。
中庭の向かい側には異様な出で立ちをした人がいた。
まだ夏の暑さが厳しいというのにマフラーに毛糸の帽子、厚手の服を何枚も重ね着している。
そんな格好をしているのに当人は「寒い寒い。」と言っている。
あまりに異様な雰囲気に一瞬本当に人かどうか疑ったが一応人のようだ。
厄介事にはあまり巻き込まれたくないのだが人として一応聞いておく。
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