11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/06/29(土) 17:16:59.66 ID:0hQFfYEeo
「あの、大丈夫っすか?」
「はぇ? は、はい、ちょっと寒がりなだけなので……」
(ちょっと?)
「顔色良くないですよ? 旅館の人呼びますか?」
「い、いえ……玄ちゃん達に迷惑掛けるといけないし……」
「は、はぁ……まぁそう言うのなら……」
「でも何でまたこんなところに?」
「ここは日が入ってきてあったかいから……」
「あの、もう西日が翳ってきてますけど……」
「う、うんだからそろそろ戻るね……」
「そうですか、じゃあ俺はこれで。」
そう言って厚着の真ん丸いシルエットを置いてまたフラフラと歩く。
明らかに問題を抱えてそうな人だったが何にでも首を突っ込む気はない。
なのでさっきの出来事は気にしないよう頭のどこか隅にでも追いやった。
だがすぐに戻すことになる。
何故なら慌しい様子で松実さんがパタパタと足音を立てて走ってきたからだ。
「どうかしたんですか?」
「あ、うちのお姉ちゃん知りませんか?」
「部屋に居ると思ったんですけど抜け出したみたいで……」
(抜け出した……?)
「お姉さんかどうか知りませんが、寒がりなダルマならさっき中庭で日向ぼっこしてましたよ。」
「それお姉ちゃんです、ありがとうございます!」
松実さんはお辞儀をした後、またパタパタと駆けていった。
二人の様子を見て俺は溜息を吐いて一人ごちた。
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