過去ログ - 上条「俺は、美琴が好きなんだ」フィアンマ「……」
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30: ◆2/3UkhVg4u1D[saga]
2013/06/30(日) 22:10:36.96 ID:XcxA+T7q0

楽しい。
人生とはこんなにも楽しかったものだろうか、と疑問を覚えてしまう程に。
たまらなく幸せで、産まれて初めて神様とやらに感謝した。
これまでの辛さも不幸も全て、当麻と出会えた事で帳消しにしてしまって構わない。

だから。


「…かえりたくない」

ぽつり。

つい、本音が漏れ出した。
そんな様子で呟いた彼女の顔は、長い髪に隠されて見えなかった。
消え入りそうな声。ともすれば、街中の五月蝿さに掻き消えてしまいそうな。

「もどりたくない」

ぽた。

彼女の瞳からこぼれたであろう水滴が地面を濡らしたのは、きっと見間違いなんかじゃなくて。
子供特有の無計画性のまま、無計画に言葉を発していた。
何を考えることもなく条件反射的に、彼女の涙を止めたくて。

「じゃあ、おれといっしょににげる?」
「…にげ、る?」

逃げられるだけ逃げてみよう、と提案して。
頷いた彼女の手を引いて、歩き出した。
どこまでいけるかわからなかった。
金の持ち合わせもなく、未来を考える余裕もなく。
ただ、俺を救い出してくれた彼女を、救いたいと思った。


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