過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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186:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/21(日) 00:53:04.70 ID:nIZGjwF70

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まさに間一髪。
空中へと逃れながら、さっきまで足場にしていた民家を確認した。

屋根から地面まで陥没するように破砕して、大轟音を響かせながら倒壊していった。
吹き飛んでくる瓦礫や飛来物を避ける。
ガスを吹かし、アンカーを打ち出す。
向う先は、獣の巨人の方向ではない。
あのクソ巨人から背を向けると、人類の拠点である壁へと向って立体機動で疾走する。

「まさか逃げる気ですかァ!?」

背から非難を含んだような物言いに、鼻を鳴らしてその場を離脱した。
そうだ。俺は逃げる。
あれほど勇ましい啖呵と覚悟を持って挑んだというのに、敵に背を向けているのだ。

嗤いたきゃ嗤え。
どれほどの侮蔑や嘲笑を受けようが構わない。下らない意地やプライドなんて野良犬でも食わせちまえ。
死ねない。
俺はこんなとこでくたばる訳にはいかねぇんだ。

「腰抜けめ……!」

地響きが追いかけてくる。そうだ、ヤツにとっても俺を逃がすのは不都合だ。いらない情報を与えすぎたんだしな。
その情報を届ける為ならば……生き恥だって何だって晒してやる。
建物から建物へ。屋根から屋根へ。
一目散に人類の生存圏へと跳ぶ。感覚の増幅はしていないせいか、いつもより景色が流れるのが早い。

「手間かけさすなよなぁ……もう!!」

叫びと共に、風を切り裂く音が背後から迫ってくる。
粟立つ肌。脳内に鳴り響く危険信号。
咄嗟の判断で軌道を変更した時――建物の壁だったろう物体が掠めるように通り抜けていった。



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