過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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188:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/21(日) 00:54:26.23 ID:nIZGjwF70

前方と後方。
死を体言した巨体が迫ってくる。己が前に詰める分、15メートル級との接触が早かった。
知能が無い巨人は、阿呆みたいに右腕を大振りしてくる。獣の巨人と比較すれば、遅すぎるそれを避けて、更に距離を微調整する。
背後からは獣の巨人の気配。

「……ほら、エサだぞ。食いつけよ」

15メートル級の顔面の目の前に、ワザとゆっくり滞空してやる。
イメージとしては獣の眼前にエサを釣るに等しい。自殺行為も甚だしい行いだ。予想通り無知脳の巨人は大口を空けて、飛び跳ねてきた。
刹那、温存に温存を重ねていた感覚の増幅を解き放つ。

(一泡吹かせてやる)

ゆっくり、ゆっくりと時が流れた。
眼前には大口を開けて、顔面から飛び掛ってくる15メートル級。そのまま背後を振り向けば――獣の巨人がハエを叩き潰すように右手を振り下ろしてきていた。

タイミングは完璧。
全ては狙い通りだ。

アンカーを斜め右の民家に突き刺して、獣の巨人の一撃範囲から離脱し――顔面からダイビングするように跳んでいた15メートル級が獣の巨人と衝突した。

「……アァ?」

呆けた声が獣の巨人から漏れる。
ヤツも驚いただろう。なにせ……15メートル級の大口が右肩を貫き、ご自慢の体毛ごと、肉を貪っているのだから。
無傷を誇っていた獣の巨人から、初めて鮮血が迸る。



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