過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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[saga]
2013/08/05(月) 23:27:40.29 ID:onjTWGp30
「……イミガワカラナイ」
しかし獣の巨人がそれを知ることはない。仮に知ったところで後の祭り。
この世界は残酷で、分かり易いぐらい親切な世界だからだ。
弱いから死ぬ。
強いから生きる。
たったそれだけ。親切で……単純明快な世界。その親切な構図は、獣の巨人にも適応される。
声が聴こえた。耳元で燃え盛る炎の音に紛れながらも、確かに声が獣の巨人は声を拾った。
それは怒りを体言した、身を覆う灼熱よりも熱さを感じさせる様な咆哮。その声を獣の巨人は知っている。殺したと思っていた、人間の声だ。
「――」
条件反射の類で首を動かした。真っ赤に染まる視界の中、向いた先には青空と、
「ァ――トリ?」
大きく羽ばたく白い翼。何者にも捕らわれない自由の翼が、風を切って羽ばたいている。
それが獣の巨人が拝んだ最後の光景だった。
真っ暗な闇に染まる視界。炎の赤も、空の青も、翼の白もない。黒の闇一色に埋まった。
下拵えを終えた肉の調理が開始する。
「よぉ――痛そうだな。すぐに楽にしてやるから、おとなしくしてろ」
それは刃を持った人間。ただ肉を削ぎ落とすことに長けた、ただの人間。
これから始まる光景は――この世界に巨人が発祥する以前――この世界に溢れていた神話や御伽噺の一幕と同じだった。
それらを綴った物語では決まって、人智を越える化物と、それらに苦しめられる人類の闘争を綴っていて。
そして、
化物を倒すのは――いつだってただの人間の所業なのだ。
そこに奇跡は無く、そこに魔法は無く、そこにご都合主義は存在しない。
ただの人間が、ただの人間の手によって積み重ね上げた。血と汗と――不屈の魂を懸けた生への叫びなのだから。
「じゃねぇと……てめぇの肉を綺麗に削げねぇからな」
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