過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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234:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/08/12(月) 22:47:00.87 ID:Vbjiezhr0

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「はぁ……はぁ……がはっ……」

どれだけの巨人を削いだだろうか。20体までは数えていたが、そこから先は数えるのを止めた。
ほぼ満タンまであったガスは無くなり、刃はこのセットしているのが最後。体力は限界を超えて、意識が遠のきそうになっている。
フラフラと崩れ落ちる身体を、巨人を削ぐ為の刃を杖変わりにして、支える醜態を晒してしまっている。
それでも。
巨人の足音は未だに鳴り止まない。進撃する地響きが、確かに距離を狭めてきていた。

「やべぇな……」

動かないと死ぬ。それが分かっているのに、もはや身体は動きそうになかった。
心は必死に抗っているのに、血を失いすぎた肉体がそれに追いついてこない。震える膝は今にも崩れ落ちてしまいそうだ。
絶体絶命。

「クソッタレ」

所詮、自分の力はこの程度だったのか、と悟りそうになる。もう疲れた。もう十分頑張っただろう。もう……ゆっくり休みたい。
そんな弱音が、抗おうとする心まで犯そうとしてきやがる。それは誘惑だった。身を委ねれば、きっと楽になれるに違いない。
だから俺は、握った剣の柄に頭をブチ当てた。弾ける鮮血。地面にポタポタと赤の斑が降り注ぐ。白と黒の光がフラッシュバックする光景の中で、俺は吼えた。
怒りが、渦巻く。

「勝手に、てめぇの命を、ドブに捨ててんじゃねぇぞ……!」

この命は、己だけのものではない。心臓は捧げただろうが。それを勝手に……諦めてるんじゃねぇ!
死ぬのは仕方ねぇ。だが諦めるのは、どうあっても許せない。
それは裏切りだ。
俺を信じて、俺の為に死んでいった部下や仲間達に対しての。それを許せずはずがなかった。その怒りが……萎えた心を、沸き立たせる。


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