過去ログ - リヴァイ「俺が何者なのかを証明しよう――この大物を釣ることによって」
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84:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga ]
2013/07/05(金) 23:36:14.95 ID:tBMgcTkq0

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俺の世界には何も無かった。色が無かった。熱が無かった。他人が無かった。
しあわせが無かった。望むものが無かった。行き先も帰る場所も無かった。

それが。
あの日からだろう。あの日が人生の大きな分岐路だった。
それから。

俺の世界には、俺の知っている物や知らない物がどんどん増えた。

色鮮やかになった。温かさを宿した。仲間や同僚、部下がいた。
しあわせがあった。望むべきものがあった。行き先も帰るべき場所も出来た。

巨人を殺して。巨人を削いで。巨人を屠って。
何体も、何体も、何体も。数え切れないほどの巨人の肉を削いでいった。

気付けば人類最強の兵士、なんて呼ばれるようになっていた。
人類の中で一番強いという称号。
誰も彼もが尊敬と畏怖を込めて俺をそう見るようになった。俺もいつしか人の上に立つべき者としてそう振舞うようになっていた。

だが。
だけど。

何も無かったはずの俺は。何も持とうとしなかったはずの俺は。
色鮮やかになればなるほど、それらを与えてくれたヤツらを失うようになっていた。
世界を抉り取られていた。


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