過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part3
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◆kaGYBvZifE
[saga]
2013/07/06(土) 23:59:19.00 ID:WWv5iVO20
「あなたの『友達』っていうのは、とても頼りになるみたいね?」
「ええ。安っぽい友情ごっこなんかじゃあ生まれえない、本物の信頼関係ですよ……クッククク」
こいつのような悪魔が、言うに事欠いて信頼などと、それこそお笑い草だ。
泰葉は内心の失笑をおくびにも出さず、ただティアマットの戯言を聞き流すのに努めた。
こうしている間にも、カースは増殖を続けその生息圏を拡大し続けていく。
『憤怒』の心性のままに、やり場のない怒りと憎悪でその身を焦がし、破壊を振り撒いていく。
そしてその過程で生まれた恐怖と悲しみが、より大きなカースを生んでいくのだ。
泰葉が『憤怒の王』となり、世界のすべてを破壊するその日が来るまで……。
「……?」
ふと泰葉は、地上から立ち上る『憤怒』のオーラで赤黒く染まった夜空へと視線を向けた。
不意に視界の端に、空の果てから地上へと伸びる一筋の輝く軌跡が映り――願い事をする間もなく、
空から流れ落ちた星は見えなくなる。
いや、自分はもう星に願いを捧ぐ年頃ではない。
あれはむしろ、古巣に留まる仲間に手向けられた餞――あるいは、惜別の涙か。
そんな風に考えた泰葉の胸にちくりと後悔の棘が突き刺さったが、カースの浸食の深まった精神の中で
その小さな『痛み』は行き場を失い、やがて遣る方ない腹立たしさに変わっていった。
「ああ――腹立たしい」
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