過去ログ - モバP「世界中にヒーローと侵略者が現れた世界で」part3
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568: ◆kaGYBvZifE[saga]
2013/07/07(日) 21:46:18.50 ID:0KKU5keR0
千秋の出番が終わってしばらく経ったとき、一人の男が彼女を訪ねてきた。

背の高い痩身に仕立てのいいスーツを着込み目元をサングラスで隠した男は、どこか飄々とした態度で
「実は私、貴女のファンでして」と言い、口元をにたりと歪めた。

「私の見るところ、貴女はショーの前座などで収まるような人ではありません。
 そちらさえよろしければ是非、貴女を支援させて頂きたいのですが」

泰然とした薄笑いを浮かべたまま言う男の印象は、ハッキリ言ってしまえばあまりにも胡散臭い。
スポンサーの申し出なら願ってもないことだが、デビューして間もない自分にそんな話が転がり込むのも
出来すぎな話だ。
冗談で言っているか、そうでなければ身体目当ての不埒者かと当たりをつけた千秋は、牽制するように言った。

「申し出はありがたいのですけれど、私をそこまで評価してくださるのは何故かしら?
 自分で言うのもなんですけど、私はデビューしたてで知名度もない新人です」

千秋の言いように、男は喉奥からひきつったような笑いを絞り出す。

「クッククク……ええ、それなんですがね。実は、貴女が例の『歌姫』のことを探ってるっていうんで、
 それをきっかけに貴女のことを知ったんですよ。『歌姫』に会いたがっている女性がいるってね。
 そうでしょう?」

「……確かに、色々な方に『歌姫』のことをお聞きしました」

「ですが笑えますねぇ? あんな素人の歌手気取りが『歌姫』だなどと」

唐突に言い放った言葉に絶句した千秋の顔を見やり、男は口元の笑みを深くした。


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