過去ログ - 響「National Holiday」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/07/01(月) 20:18:11.36 ID:eKVRquV80
無数の白線。スタートライン。いつの間にか自分はトラックに居た。
赤みを帯びた硬土で固められた地面は限りなく広がっている。
そのトラックには自分の他にも銃声の音を今か今かと待つ競争者が並んでいた。
彼らの服装は割烹着であったり、ユニフォームであったり、スーツであったりと皆仕事上での作業着を着ている。
足元を見ると、くたびれた革靴を履いていることを思い出す。営業や挨拶回りでくたびれた革靴だ。
革靴は足に吸い付き、トラックにある僅かな突起や土の感触を直接伝える。まるで裸足でいるようだった。
そう感じた途端、馬色の革靴が自分の足になった。素足と感じたのだから当たり前だ。
いつの間にか着ていたスーツも自分の肌になる。トラックに吹く風を感じる。
走り出す準備が出来た。軽く脚に力を入れると血液が流れ、力が貯まる。心臓がエンジンのような唸りを上げる。
体が軽い。陸上部にいた頃のような体のキレ。指先まで。いや、毛細血管の一本一本まで体を知覚することが出来る。
前傾姿勢を取る、途端、空気が破裂する音が聞こえた。
それが銃声だと気づく前にはすでに走り出していた。
体は一瞬で加速し、最高速度に達する。スーツ越しに風を切る感触を感じる。
が、それは間違いだった。スーツはもはや肌の一部なのだから。
他の競争者を出し抜き、先頭集団に加わる。ここから先は一筋縄ではいかない。どうやら皆同じ考えのようだった。
調理着を着ている男の袖を掴み、地面に叩きつける。白青のストライプのユニフォームを着た女の足を払う。
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