過去ログ - クリスタ「誰も私を知らない世界。」
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1: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:24:34.58 ID:g75CBb1AO
こんばんは。

・単行本10巻とラノベのネタバレ有り

・地の文有り

よろしくお願いします。

SSWiki : ss.vip2ch.com



2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/07/01(月) 21:26:19.39 ID:4icMkD1Eo
やすっ


3: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:26:28.19 ID:g75CBb1AO
―849年12月 訓練兵舎―

親は子を愛す。

これが世間の通説であり、実際に世の中の大半の親はそうであろう。
以下略



4: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:27:09.40 ID:g75CBb1AO
どんな立場の者がどれだけ泣こうが喚こうが、1年は365日であり春夏秋冬のサイクルを入れ替える事などできない。

そして今年もまた、逃れようのない冬の寒波が街を占拠していた。

開けた農村地帯等はその日その日の気象条件によって気候の差異があると聞くが、狭い範囲を360度壁に囲まれている居住区はさながら小さな盆地だった。
以下略



5: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:28:14.28 ID:g75CBb1AO
特に深夜0時を回った現在、その寒さには一層の拍車がかかっている。

凍ったバナナで釘を打つどころか、立体機動装置のアンカーとして使用できそうな気温である。

第104期訓練兵クリスタ・レンズは灯りの消えた兵舎のベッドの中で、眠りに就く事ができずただただその身を震わせていた。
以下略



6: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:30:22.49 ID:g75CBb1AO
人々の吐く息。

そして雪。

いずれにせよ結局はモノトーンだ。
以下略



7: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:31:15.37 ID:g75CBb1AO
即座にそのどちらも強いられずに済んだのは、単に社交界の駆け引きに忙しい貴族達が二番煎じの茶葉ほどの価値もない忌み子の末路にまで思考を割くことを億劫がったからである。

その結果、蔑まれながらもどうにか12の齢(よわい)を数えるまで生き長らえる事ができた。

そしてその頃、レイス家ではクリスタの進退について1つの答えが出た。
以下略



8: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:32:20.13 ID:g75CBb1AO
その結果、名前を偽って放逐される事を受け入れるなら生かしてやろうという結論に落ち着いた。

こうしてレイス家の忌み子はクリスタ・レンズと名を変え、第104期訓練兵団の門を叩いたのである。

こんな人生を四季に例える場合、冬以外に妥当な解答があるだろうか?
以下略



9: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:34:02.03 ID:g75CBb1AO
兵団から支給される布団は重みこそあるが保温能力には優れており、肩まですっぽりくるまってしまえば十分に温かい。

しかし、その温もりに包まれてもなお、体から悪寒が消え去る事はなかった。

何故なら、寒さを訴えているのは体ではなく心だったから。
以下略



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