過去ログ - クリスタ「誰も私を知らない世界。」
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10: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:34:40.59 ID:g75CBb1AO
訓練兵団に入団してはや3年。

訓練は厳しく食事は粗末だが、理不尽に衣食住を脅かされる事はない。

少なくともレイス家にいた頃よりは遥かに安全で快適な暮らしができていた。
以下略



11: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:35:10.85 ID:g75CBb1AO
クリスタ(こういう時は何か楽しい事を考えると良いってサシャが言ってたよね・・・)



同期の仲間の言葉を思い出す。
以下略



12: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:35:45.97 ID:g75CBb1AO
あれは子供に良い行いをさせる理由付けとして親が用いる美辞麗句だ。

幼き日のクリスタにそんな夢のある話を聞かせる物好きなどもちろんいなかった。

それどころか本家の子供からこんな言葉をかけられた事もある。
以下略



13: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:36:27.77 ID:g75CBb1AO
きらびやかなドレス?

宝石があしらわれたティアラ?

それともまだ食べた事もないほど甘いお菓子?
以下略



14: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:37:12.48 ID:g75CBb1AO
自分は良い子にしてきたはずだ。

気を抜けばすぐ脳裏に響く罵倒の数々を振り払うべく、必死に必死に良い子であろうとしてきた。

後の美談となる死さえも望むほどに。
以下略



15: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:43:20.84 ID:g75CBb1AO
クリスタ(お願いします。その世界に住めなくても良い。一瞬だけ。一瞬だけで良いから・・・)



叶うはずのない願いを胸の奥でつぶやく。
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16: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:43:56.01 ID:g75CBb1AO
先ほどまでは真っ暗な静寂の中に一人取り残されているかのような感覚でいたが、今はむしろその静寂の一部となるべく体が溶け出しているような気分だ。

寝息が徐々に安らかなリズムを刻み始める。

その時。
以下略



17: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:44:36.96 ID:g75CBb1AO
―翌日―

クリスタ「・・・・・・ここはどこ?」

目が覚めるやいなや口を突いて出た言葉がこれだ。
以下略



18: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:45:14.22 ID:g75CBb1AO
さっきからずっとここに立ち尽くしていたかのような感覚だ。

到底寝起きとは思えないほど、あまりにも素なのである。

そしてもう1つ気掛かりな点――というか、これこそが最大の謎なのだが――がある。
以下略



19: ◆51UnYd7yHM[sage saga]
2013/07/01(月) 21:46:07.98 ID:g75CBb1AO
体を支える足の裏の感触もありありと感じる事ができる。

次にクリスタは夢遊病の線を疑ってみた。

しかし、それもあまり附に落ちない。
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