47: ◆hOVX8kZ7sLVS[saga]
2013/07/02(火) 22:51:54.98 ID:bAq3pyUe0
僕は学校で別れる事になったその日はすぐに家に帰ったのである。
もちろんだが、放課後に残って談笑する友達がいないからである。
校庭に出ればボールの代わりに僕が蹴られる可能性があるからだ。
「あれ」
母から書き置きで「油を買ってきて」とお使いを頼まれていたのだ。
きちんと購入し家への道程をゆっくりと歩いていた時のことだった。
ううんどうみても彼女である。マンションから出てきたようだった。
「こんなところで。奇遇」
と僕はそう声をかけてみたが「あ」と気不味そうな声をあげるのだ。
そこまでここから出てきた事に関して唸らなければいけないのかな。
「ああ。あなた。お使いの帰りかしら」
「そういうこと。君は?用事が済んだのかな」
「済んではないけど、日課が終わったってところよ」
そっか。僕はさも「見てませんよ」という声の抑揚でそう言った。
すると彼女は安堵したようにそうなのよ。そう告げ去っていった。
僕は油を抱え家に戻り、お駄賃が貰えることを、ただ願っていた。
なんとも浅ましい子供だったと言える。
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