10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/07/06(土) 18:58:17.98 ID:hhtfiB8C0
日は落ちかけて夜はもう近い。上条は帰路に就いていた。その足取りは弱々しく遅い、俯きながら帰るその様子は
同情を買うだろう。
「……」
先ほどの光景を思い出す。未だにあの圧倒的な赤が目にこびり着いて消えない。
あの鉄の匂いが鼻を掠める。
他のもっと楽しいことを考えようとするが、その度にあの地獄が頭をちらつく。
それぐらい衝撃が大きかった。
「もうダメだ、ダメだ。こんな姿インデックスに見せられねーよ
こういうのは上条さんらしくないですのことよ!!」
頭を強く振って、威勢良く言ってみる。あの悪夢を振り払うがごとく。
周りにいる学生たちがチラリと怪訝そうに見る。
「……っ」
また頭を過ぎる。あのピンク色のモノや悲鳴が。
あの空気が。あの状況が。ハンマーで後頭部を殴られたかのような感覚が走る。
衝撃的だった。
「……しばらく飯は食えないな」
乾いた声でハハッと笑う。心の中で『タイムセールにも行けなかったし』と自虐を付け加える。
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