11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga sage]
2013/07/06(土) 19:02:26.56 ID:hhtfiB8C0
「……」
笑えない。むしろ虚しくなる。あの人たちは行きたい所にも行けずに死んだのだろう。
まだ碌に人生も過ごしていないのに。やりたいことだってたくさん有ったはずだ。
もっと遊びたかったはずだ。もっと勉強したかったはずだ。もっと寝たかったはずだ。
もっと……もっと……
「……くそッ」
小さい声で呟く。誰にも聞こえない声で、自分だけにしか聞こえない声で。
上条の心の中にはいろんな感情が渦を巻いている。怒りや悲しみや恐怖や苦しみや嫌悪。
たくさんの感情が行き場をなくして上条の体を巡っている。
(化け物)
あの時浮かんだ言葉。あの惨劇を起こした奴らは化け物だと上条は思う。
人の皮をかぶった化け物なんだとそう思った。あれを見て何も思わない奴らだと。
最低な奴等なんだと。
それに相応しい能力も持っているし――――――――
ゾクッゾクッゾクッと上条の背筋に悪寒が走った。
バッと身を翻して上条は辺りを見渡す。
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