過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2013/07/06(土) 19:44:48.42 ID:6QX93pwdo
仕事を終え、今は昼の十三時近く。
後楽園駅の改札前で貞夫達を待っている。
今日の私は余所行きの格好に髪も纏め、ネックレスを付けている。
一度会社から帰って着替える時間はないのでこの格好で会社に行ったが、梨香に随分からかわれたものだ。
……私だけ気合を入れて、彼がまさに休日のお父さん然とした普通の格好だったらどうしよう。
そんな不安を抱きながら待っていると、近づいてくる子連れの姿。
アラス・ラムス「まま!」
真奥「よ。待たせたか」
ワンピース姿のアラス・ラムスと、……いつかの千穂ちゃんとのデートのときのように、めかしこんだ貞夫だった。
恵美「元気だった、アラス・ラムス? ……そんな服、持ってたんだ?」
貞夫に言うと、彼は自慢げに応えた。
真奥「買った。芦屋は少し渋ったがな。デートに全身ユニシロは駄目だって前に言ったのはあいつだ」
その返答に、胸が熱くなるのを感じた。
恵美「デートだって、思ってくれたんだ?」
真奥「まあ、そりゃな」
アラス・ラムス「まま、あたしも! あたしもでぇと!」
意味も分かっていないだろう言葉を繰り返すアラス・ラムスの手を握る。
恵美「うん、そうね。それじゃあ、三人でデートしましょうか」
アラス・ラムス「うん!」
彼女のもう片方の手を貞夫が握った。
アラス・ラムスがご機嫌そうに満面の笑みを浮かべる。
釣られるように私達も笑いながら、三人で歩き出した。
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