過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2013/07/06(土) 19:45:49.41 ID:6QX93pwdo
こちらを振り向いて、子供に諭すように続けた。
真奥「お前の仲間や鈴乃がほいほいこっちに来てるのがどういうことか考えたことないか?」
真奥「一年は、ちっと長すぎたな。エンテ・イスラに攻め込んだ魔王軍の残党なんざ、とっくに根絶やしにされてる」
真奥「そうでなきゃ人間世界の最重要戦力のあいつらが、呑気に異世界旅行してるはずがない」
……それは、言われてみれば当たり前のことだった。
エメラダに聞く近況も、国や教会の話ばかりで、悪魔の話など出なかった。
恵美「……でも、それじゃ、貞夫が帰っても……」
思わず口ごもる。
勿論私としては武力での世界征服など認めるつもりはなく、戦力不足の心配をしているのではないが、
向こうに帰ったとき貞夫を待つ者が誰もいないのなら、貞夫は何を思うのか。
彼はそんな私の頭を、コツンと軽く叩きながら言った。
真奥「お前はもうちょい想像力を働かせろ」
真奥「お前ら人間が戦争するとき、国民が一人残らず一つの戦場に出向くか?」
言って彼は、アラス・ラムスの選んだ麦わら帽子をレジに持っていった。
購入した帽子を満足気に被るアラス・ラムスを、笑って褒めている。
……魔界には、同胞が残っているということだろうか?
しかしそれにしたって、エンテ・イスラにいる部下が大勢死んだのは変わらない事実だ。
こんなとき、どうしようもなく私は人間で、彼は悪魔だということを痛感させられる。
魔界や悪魔のことを、私は未だにほとんど知らない。
だから彼が何を考えているのかも分からず、彼と私の常識にどれほどの齟齬があるのかも分からないのだ。
いつか、彼の全てを知ることができるときが来るのだろうか。
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