過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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[sage saga]
2013/07/06(土) 19:49:09.34 ID:6QX93pwdo
彼が外を見ているアラス・ラムスを抱きかかえた。
真奥「こいつは……こいつの元となったクリスタルは、その天使がいなくなった日に、残されてたもんだ」
真奥「三日月型をした、綺麗な紫色のクリスタルだった」
アラス・ラムス「やぁの、見てるのー」
さっきこの子の額に浮かんだ紋様が、それを想起させる形だったのだろうか。
真奥「『世界をもっと知りたいと思ったら、この種子を植えて育ててみて。がんばれ、大魔王サタン』」
真奥「……あいつが残した書き置きだ」
その"文字"という概念も、その天使から教わったものだという。
かくして天使から得た様々な知識をもとに、彼は魔界を統一した。
そして……これすらもその天使から教わったこと。
"人間が住む世界がある"、その話をもとに侵攻したエンテ・イスラに建てた魔王城で、
彼はそのクリスタルを鉢に植えた。
真奥「俺は生粋の魔王なんかじゃない」
サタン、とはもともと神話よりも昔の時代の、伝説上の大魔王の名だという。
それにあやかってか、サタンという名の悪魔などありふれていたそうだ。
ただのサタンだった彼の覇道は、その天使に魔王と呼ばれたことで始まったのだ。
真奥「ま、とにかくそういう理由でな」
真奥「確かに俺は、あの紫色のクリスタルがアラス・ラムスの姿になる片棒を担いだって意味では、親父なんだろうさ」
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