過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage saga]
2013/07/06(土) 19:55:49.53 ID:6QX93pwdo
恵美「……まさか、諦めてアラス・ラムスの思い出作りしようなんて意味じゃないでしょうね」

真奥「それもあるが、それだけじゃねぇよ。どっちみち今日は鈴乃の部屋に泊まるつもりだったんだろ」

アラス・ラムスを抱っこしながら聞く。
魔王城には、私と貞夫、それにアラス・ラムスの三人だけだった。

危険に巻き込むわけにはいかない千穂ちゃんは帰宅させ、
芦屋と漆原はベルには悪いが彼女の部屋に泊めさせてもらった。
親子水入らずの状態だ。

真奥「明日ガブリエルがいつ来るか分かんねぇし、アラス・ラムスを守ってくれよ。頼む」

そこは言われるまでもない。
だが肝心の奴を撃退する方法は「何とかする」としか言わない彼だった。

真奥「親らしく子供のために命を賭けるだけだな。ま、あんま心配すんな」

恵美「……その自信はどこから湧いてくるのよ」

真奥「根拠なんかねぇよ。でも不思議なもんで、アラス・ラムスのためならなんだってできそうな気がしてくるんだ」

そう言う彼の顔は、確かに不思議なほど泰然としていた。

真奥「俺や魔王軍の侵攻で死んだ奴らだって、きっとテメェのガキを助けるためなら最後まで諦めずになんだってしただろうさ」

真奥「なら、魔王の俺に、命張ってガキ守るくらいのことができねぇはずがねぇ」

そんな自傷するようなことを言う。

恵美「……やめてよ、そんなこと言うの。まるで……」

死を覚悟したみたいじゃない。

不安が表に出ていたのだろう、アラス・ラムスが心配そうに見上げてくる。

真奥「大丈夫さ」

私達を向いて、彼はそう言った。


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