過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sage saga]
2013/07/06(土) 19:56:34.53 ID:6QX93pwdo
アラス・ラムス「まま、ままここ!」
恵美「はいはい」
アラス・ラムスが興奮した様子で畳をびしばしと叩く。
今思い出したけど、この部屋に敷き布団ってないのよね。
畳に寝るんじゃ乳児の身体に悪影響が出そうだし、今度子供用布団を買いに行かないと。
……今度があれば、だけど。
時刻は二十二時前と、大人が寝るには早い時間だが、アラス・ラムスはもう寝なくちゃいけない。
豆電球だけ残して電気を消し、三人並んで横になった。
アラス・ラムスは両側の私達の袖を掴んでご満悦だ。
アラス・ラムス「ねーぱぱー、おはなししてー」
真奥「ん? お話か。ままのじゃなくていいのか?」
アラス・ラムス「ん……ままのはあした……」
少し眠くなっているらしいアラス・ラムスがそんなことをせがむ。
明日、か。
明日も三人で寝られれば、それに優る幸せはない。
恵美「お話なんてしてあげてたの?」
真奥「寝付けなかったり、寂しがって泣くときに、仕方なくな」
貞夫が優しくアラス・ラムスのお腹をぽんぽんとしながら、語りだす。
"お話"を。
真奥「ええと、怪我をした貧乏な旅人が、天使様に助けられたところからだったな」
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