過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」3巻
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[sage saga]
2013/07/06(土) 19:59:43.25 ID:6QX93pwdo
真奥「……だから、行かせられない。行かせたくない。頼む。今はこいつを……っ!」
その台詞は最後まで言えなかった。
ガブリエル「悪いけど、予定変更ね」
奴が何をしたのか、貞夫が呼吸に苦しんでいるように足掻いている。
ガブリエル「や、正直ここまでする気なかったんだけどさ。ちょっと君、それは墓穴だったよ」
今度ははっきりと見える。
貞夫の首が、見えない手で握られているようにへこみ始め、彼が苦痛の悲鳴を上げる。
恵美「貞夫!」
外から、ようやく起きたらしいベルと芦屋の声が聞こえる。
部屋に入ろうとしているようだが……どうやら結界が張ってあるようだ、ドアが開くことはなかった。
ガブリエル「勇者エミリア。悪いけどさ、後顧の憂いなきように、魔王サタンは僕が処理するよ。さすがに見逃してあげられない」
特に悪びれもしない、そんな口調で奴は言った。
結局奴ら天使にとって、命の一つ、家庭の一つを消すことなど、大したことではないというのか。
恵美「……ふざけないでよ、夫婦だと言ったでしょう」
恵美「子供ができて数日で未亡人になる気はないし、子供を渡す気もないのよ……! 天光炎斬!!」
ガブリエル「え、ちょ……わ、わっちゃちゃちゃ!」
怒りに任せ、掴まれているままの聖剣に炎を纏わせる。
だがそれは奴に多少の熱さを感じさせても、燃やすことはできなかった。
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