過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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◆S.3OfNv5Fw
[saga]
2013/07/11(木) 00:04:31.62 ID:GwY168de0
「ふぅ……――さん! まだ着かないんですか?」
「そう焦るな。この道を進んでいれば、すぐに着くよ」
「そうですか。まぁ、とにかく急いで下さいね! 時間は待ってくれませんよ!」
「はいはい」
「はいは一回ですよ! 全く、大人にもなってそんなコトがわからないなんて、本当に覚えの悪い犬みたいですね――さんは!
しつけをするボクの立場にもなってみて下さいよ、たまには」
幸子との軽口を叩きながら、洋食店に向けて車を走らせ始めた。
雨は先程より弱まり、もうワイパーを動かさなくても良い程になっている。
しかし、空を覆う雲の膜は消えていない。もう夜になったというのに、雲のせいで空が白み、明るく感じる。
「――さん」
「ん?」
幸子が楽しそうに、身を乗り出して話しかけてきた。
「どんなお店なんですか、そこって」
「あぁ。まぁ、凄くこじんまりとしたお店だよ。座敷とかもあるし、ゆっくりできる雰囲気の場所だ。
そこで、落ちついて食事をしよう」
「えぇ、そうですね。どこかの――さんとかいうダメな人が、ボクとオフを同調させてくれないものですから、
すっかりそういう機会が無くなってきているんですよね」
幸子が、皮肉たっぷりに私に言い放つ。私は苦笑いするしかなかった。
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