過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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144: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/07/15(月) 01:16:18.79 ID:rh9YQKQy0


「幸子、いい加減に――」

「今度っ」


振り絞るような声が、私を止めた。


「今度……今度の選挙で……ボクが十位以内に入ったら……」

「……入ったら、何だ」

「……ボクの言う事を、何でも一つ、聞いて貰います」

「……」


突然の提案に、私はしばらく硬直していた。


「……そんな事……」

「そんなコトじゃ、ないんですよ……」

「……すまん」


彼女を止める為に、私は白々しくもまた失言していた。
だが私を制する声に、もはや取り付く島も無い。彼女を止める事はできない。

私は最後の抵抗を試みていた。私自身の為にも。彼女の為にも。



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