過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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22: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/07/07(日) 19:10:16.67 ID:qH1jWcyn0


「あ……もしかしてお疲れ、ですか?」

「いえ……ただ、ちょっと昨日はよく眠れなかったもので……」

「あぁ……遅くまで、残ってらっしゃいますものね」

「……えぇ」


その返答の後、千川さんはしばらく私の顔を見つめ続け、何か悟ったように小さく笑らいながらこう言った。


「……嘘」

「え?」

「嘘です。――さんは、幸子ちゃんの事で悩んでるんじゃありませんか?」


その見透かされたような言葉に目を丸くし、私は千川さんの方を向いた。
彼女は視線を空に向け、澄ましたような顔で続けた。


「わかりますよ、それくらい。私、――さんよりも、ここの事務所長いんですよ?
 新人さんがやめていくのも、何度か見てますし……」

「……私がやめようかと考えていた事も、お見通しですか……」

「えぇ……辞める前の人は皆、今の――さんみたいな顔してましたし」

「……そう、ですか」

「……えぇ」


何も言い返せなかった。
実際、今の私は良くある例えでいう死んだ魚のような目をしているのだろう。
何をやっても成果が出せず、その苛立ちを担当アイドルに当たるような事をしているのだから。



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