過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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304: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 00:58:52.77 ID:TGh4K5Fj0


幸子はいそいそと立ち上がり、扉を開けて洗面所に向かった。
私はたった一つしかない部屋に取り残された。
テレビでは、いつの間にかニュースが流れていた。重苦しい口調で、キャスターが何かを述べている。

扉の向こうから、布が擦れる音が聞こえてくる。
荷物から着替えでも取りだしているのだろうか。

私の家で、衣服を着替える女性が居る。
そんな浅い考えが私の頭を駆け巡っていた。

扉が閉まる音がした。どうやら幸子は本当に風呂に入ったらしい。
私の緊張感は、いよいよ現実的なものになってきた。


「……私も、行くか」


私はテレビを切り、鍵と財布、そして携帯をポケットに入れて外に出た。
私が住むマンションの向かいにある24時間営業のスーパーを目指し、つっかけを引き摺りながら私は明りの少ない闇夜を歩いた。
人気の無いせいなのか、それとも淡い輪郭を持つ暗闇のせいなのか、空気が洗われたような冷たさを持っていた。
私はその冷たさに頭を晒しながら、物事を考えていた。

こうなった以上、どんな事があっても良いようにしなければならない。
子供の恋愛――幸子はまだその範疇だが――などと言うかわいいものでは無い。
私が関係を迫ったのだ。私が、しっかりとしなければいけない。

私は決意を固め、暗闇に浮かび上がるように建ったスーパーに足を踏み入れた。
逡巡せず私は二階へ向かう。二階は、薬局だった。
速足で目的の物がある棚へ向かう。




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