過去ログ - 幸子「優しい優しい、プロデューサーさん」
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307: ◆S.3OfNv5Fw[saga]
2013/08/08(木) 01:02:34.39 ID:TGh4K5Fj0

今になって思えば、どうして彼女を先に風呂に入らせたのだろうか。
私が普段使っている洗剤とは違う匂い、彼女が持参したシャンプーの匂いが風呂場に充満していた。
湿り、生温かい空気を孕んだ風呂場を前に、私は自分の浅はかさを悔いた。

匂いに息を詰まらせながら、私はシャワーを浴び始めた。
心地の良い熱が注がれる。湯が体に当たり、流れ落ちて行く。
その流れを見るように下を見た。自己主張していた。
私は大きな溜息をつき、壁に手をつけてうなだれるように顔を俯かせた。

蒸気の中を縫うように匂いは消えず、私に入り、苛ませる。
このままここに居るのは良くない。石鹸を取り、体をそそくさと洗う。
体全体を洗い終え、最低限のシャワーを浴びて私はあがった。

体を拭き、歯を磨く。いつも以上に念入りに磨いていた。
準備万端だな。私は自分を蔑むように心の中で呟く。
こうでもしなければ、平静を保てそうにない。

猛る心臓を沈めるように、大きな息を何度も吐く。
そして、満を持して風呂場から出た。


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