71:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/10(水) 23:14:27.61 ID:lfD8m1XT0
京介「なんだよ急に」
桐乃「あたしね、あの時、京介がこれからどんな人生を歩もうと、もうその隣にあたしがいなくても、いいって思ってた。これからは、あたしが勝手に遠くから京介を思い続けるだけで、我慢しようって」
京介「……」
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2013/07/10(水) 23:16:12.24 ID:lfD8m1XT0
京介「…そんなこと、言わなくていいって。だって」
桐乃「兄妹だから?」
京介「そういうこと」
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2013/07/10(水) 23:19:48.60 ID:lfD8m1XT0
帰り道、桐乃の大学の友達に出会った。
友達「あれ、桐乃その人は?」
桐乃「ああ、あたしの――」
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2013/07/10(水) 23:21:29.81 ID:lfD8m1XT0
それからしばらくして。
俺はあることを決めた。
京介「なぁ桐乃、海行こうぜ」
75:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/10(水) 23:24:06.65 ID:lfD8m1XT0
まだ海開き前の海岸には、俺たち以外に誰もいなかった。
俺たちは、砂浜に並んで腰を下ろす。
桐乃は真っ直ぐ水平線の彼方を見つめている。
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2013/07/10(水) 23:25:54.10 ID:lfD8m1XT0
ここで俺は、「あの時」桐乃から返されたものを、鞄から取り出した。
京介「桐乃」
桐乃「なに?」
77:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/10(水) 23:26:48.91 ID:lfD8m1XT0
桐乃「ふふっ」
京介「なんだよ?」
桐乃「京介、プロポーズしたこと覚えてたんだ」
78:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/10(水) 23:28:21.46 ID:lfD8m1XT0
そう。実は俺たちは、ずっとわかっていた。
俺がありったけの思いを込めてプロポーズし、桐乃がそれを受けた瞬間から−俺たちは夫婦だったのだ。
全ての誓いは、すでにあの頃たてられていた。
79:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/10(水) 23:29:42.79 ID:lfD8m1XT0
いつだったか御鏡が言っていた。
結婚なんてものは、当人たちの気持ち次第で、どうにだってなるものだと。
俺たちはまさにそうだった。
80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/10(水) 23:30:35.93 ID:lfD8m1XT0
それからしばらく俺たちは、海辺で時を過ごした。
無邪気に砂の城を作る桐乃に問いかける。
京介「なあ。よくさ、夫婦がお互いに、どっちに長生きしてほしいかって話、したりするだろ?」
81:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/07/10(水) 23:32:01.55 ID:lfD8m1XT0
この人生の最後の一日まで、俺は桐乃の隣にいる。
桐乃が俺の妹であること、そして俺の恋人であること…そのどちらにも、俺は感謝したいと思う。
京介「桐乃」
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