過去ログ - 上条恭介「キミの笑顔が好きだった」
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10: ◆/ZP6hGuc9o[saga]
2013/07/10(水) 01:35:51.74 ID:SJta8h95o
翌日。

彼女は、その日もお見舞いに来てくれた。

しかし、様子がいつもと違う。

CDは持ってきていないし、表情もどことなく嬉しさがにじんでいたような気がする。

彼女は、僕の顔を見るなり『屋上に行こうよ』と提案して来た。

屋上に一体何か用でもあるのだろうか?そう思いながら、つい『普通』に立ち上がろうとして、ぐらりと態勢を崩してしまった。

あれ?おかしいな、なんで立ち上がれないんだろう?

と一瞬本気でそう思ってしまった。

『もう、無理しちゃダメだよ。腕が治ったと言っても、足の方はまだなんでしょ?』

彼女にそう言われて、ああ、そういえば僕は事故にあったんだったと思いだした。

なにしろ、僕に絶望を与えた腕が治っているのだ。そんな些細な事など、頭から抜け落ちてしまっていた。


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